組織と人:論語と韓非子③

仕事

ルールに対する態度

組織の中で働いているが、ルールというものはいわゆる「社会人としての最低限のルール」がある程度ではないか?

しかし、ルールが必要な状況は多々発生する。会社自体のルール、業務上のルール、条例や法令に準じたルール…
それらを徹底させるために更に社内ルール・ローカルルールを制定することがある
そのルールに対する考え方として論語と韓非子の考えを基に、実践的に考えた

【論語】
 これを道びくに政を以ってし、これを斉うるに刑を以ってすれば、民免れて恥ずるなし。これを道びくに徳を以ってし、これを斉うるに礼を以ってすれば、恥ずるありて且つ格し。
(為政者が法律を振りかざし、刑罰をもって抑え込もうとすれば、国民の方も法律の抜け穴ばかり探し、恥を恥とも思わなくなる。逆に、下々の物を徳によって感化し、礼によって規範を確立しようとすれば、国民の方もおのずから恥を知るようになり、不正を働く者がいなくなる。)
 ➡法やルールに頼るのはまずい

【韓非子】
 厳刑重罰は、民の悪む所なれども、国の治まる所以なり。
(厳しい厳罰は、人民に忌み嫌われるが、これこそ国が治まる大本なのだ。)
 ➡法やルールこそ統治の基本


国単位で言うと沢山のルールがあるが、今は会社という組織でこの考えについてとらえてみる
会社の中のルールに対する問題

・ルールを作っても浸透しない
・ルールを管理するシステムが徹底されない
・ルールを守らないのは組織の上の人間

ルールを作っても浸透しない
 組織を統制する立場にいると、ある方針に沿ってヒトやモノを管理しないといけなくなる
 方針に沿って職員が行動するためには、職員がその方針を理解することが前提だが、
 理解が追い付かないこともあったり、方針の難易度が高く、理解が追い付かないことがある
 そういうときに”ルール”が活用される
 しかし、ルールを作ってもなかなか浸透せず、使ってもらえないルールもできてしまうことも
 なぜなら、多くのルールは浸透させたい側が作ることになるからではないか

ルールを管理するシステムが徹底されない
 前段の続きにもなるが、ルールを作ったらそれを管理しなければならない
 管理する、つまり、徹底されているかをチェックする機構が必要となる
 チェックするのは誰か?ルールを作った人であることが多い
 チェックを続けていくと、チェックすらできなくなってくることもある
 となると次はどうなるか?チェック機構のチェック機構が必要となってきてしまう
 ルールの上にルールが運用されることになる
 「何やってんのか…疲れるな~」となるのがルール化の成れの果て

ルールを守らないのは組織の上の人間
 ルールの徹底のためには、ルールを厳守するルールが必要となることを述べた
 「ルールを守らせるのって大変!!」そう組織の上の人間つまりルールを作る人たちは思いはじめる
 その行く末、ルールをしばらくの間走らせていた後、そのルールが守れないルールとなってきたとき、ルールを破りだすのは上の人間となってくるのはよくあること
 上の人間ですら決めたルールを忘れてしまう
 そうなると本末転倒ですよね
 ガバナンスの利いていない組織

韓非子はルールこそ統治の基本であり原則であると問うた
 その通りである
孔子は礼こそが統治の基本であると問うた
 抜け穴を見つけてルールを守らなくなるものは民だけでなく、官もそうであると
双方の成れの果てがルールというものは破られるもの、となるならば、そうならないためにどうすればいいか?

 守れるルールを官民双方で作り出す、そして双方がルールを管理していくシステムを構築する
 その中には当然厳罰も含めておくこと

韓非子も論語もそれぞれ重要なポイントを突いている
実践してみるとどちらかだけでも組織を統制できないことがわかった

結論

組織が存続するための運営方針の徹底のためにはルールの制定が必要になってくるが、
それを徹底させるためには、ルールを”決められた”という受け身な統制ではなく、
ルールを”自ら決めた”というポジティブな態度を社員に持たせること

それが今回の投稿の結論である

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